プロダクトオーナーとは?役割、やること必要なスキル
スクラムの導入が進むにつれ、近年プロダクトオーナーも注目され、需要も高まっています。
アジャイルにおけるプロダクトオーナーは、顧客から求められる要件を正確に理解し、整理できるスキルが求められます。
それが出来なければ、プロダクトの価値を担保する事ができませんので、プロダクトオーナーという仕事は大きな責任を担います。
この記事では、これからプロダクトオーナーを目指す方だけでなく、現在プロダクトオーナーとして現場で活躍する方にとっても現場レベルで求められるスキルの確認になるでしょう。
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プロダクトオーナーの仕事とは?何をするの
プロダクトオーナーは、プロダクトの方向性を決める責任者です。
望ましいプロダクトの姿を一番よく知っている顧客が担うことが理想的です。
プロダクト開発の方向性を決める仕事
プロダクトオーナーは、開発の方向性を決め、プロダクトの価値を最大化することに責任を持ちます。
プロダクトオーナーは、リファイメント(いわゆる要件定義)と呼ばれる活動を行い、チームや顧客とともに「プロダクトバックログ」を作成します。
プロダクトオーナーは指示はしない(プロダクトバックログを提示するだけ)
プロダクトオーナーは、開発チームに指示は出さずにプロダクトバックログを提示します。開発チームはプロダクトバックログをもとに作業を行うため、情報を明確にする必要があります。
たとえば、プロダクトの価値やターゲット像、顧客の要望、開発作業の優先順位など、詳しく明示します。これはリファメント活動中に行い、開発者が直ちに開発に取り掛かれるよう準備完了の定義(DoR)も決めておく必要があります。
プロダクトオーナーは、開発チーム全体の状況把握と、状況に応じた適切な対応が求められます。
指示はせず、自己組織化されたチームが自律的に作業を行います。そして自らの時間の50%は開発チームと一緒に仕事をするのが理想的と言われます。
プロダクトオーナーの役割と責任
プロダクトオーナーが担う作業を紹介します。
- プロダクトの目標(ビジョン)の明確化と共有
- プロダクトバックログの作成・管理
- 優先順位の明確化
- 開発段階の監視
- 顧客の要求の把握、また顧客ニーズを予測し反映
プロダクトの目標(ビジョン)の明確化と共有
プロダクトオーナーはプロダクトの価値を最大化するため、ビジョンの明確化を行います。
その為にプロダクトオーナーは、ビジュアルビジョンステイトメントを作り、ステークホルダーを含めチームメンバー全員に正確に伝えます。
ビジョンが共有できていれば、たとえプロダクトオーナーが不在であっても、チームで問題が発生しても適切な対応をとることができます。
プロダクトバックログの作成・管理
次にプロダクトオーナーは、スクラムチームが作業を行えるように、バックログアイテムを作成します。
バックログアイテムを確認することによって、スクラムチームは、各バックログアイテムの詳細を理解できるようになります。
ゲストがチケット予約を簡単にでき、オンラインページ上ですぐに予約して決済まで完了できる
- ゲストとしてチケット予約ページに簡単に遷移できる
- 予約ページは見やすく、決済まで簡単に完了することができる
- ゲストとして予約を変更・キャンセルできる
優先順位の明確化
プロダクトオーナーは、バックログアイテムに優先順位をつける責任があります。
プロダクトオーナーは、製品の機能を定義するのとともに、プロダクトバックログのリファインメントを行う役割を担っています。
スクラム開発では、プロダクトバックログの優先順位の高い項目から実行し、問題や修正があれば随時行ったり見直しを行うため、優先順位は常に変わります。
リファイメント活動は少なくともスプリントに1回は行うことが推奨されるため、都度優先順位が変わっていくことになります。
タスクに優先順位をつけることも含まれます。
開発段階の監視
新しい製品や機能を開発する際、適切に定義され、テストされ、実装されると思います。
プロダクトオーナーは、ステークホルダー(主要な関係者たち)と連携し、製品開発プロセスの各段階において注意深く監視し、成功を目指していきます。
顧客の要求の把握、また顧客ニーズを予測し反映
プロダクトオーナーは顧客のニーズを把握し、正確にプロダクトに反映させなければなりません。
万人が求めそうなプロダクトを作成したとしても、それが顧客の求めるものでなければ意味がありません。
プロダクトオーナーの重要な役割は、ステークホルダーがプロダクトバックログを見て理解できるようにすることです。
ステークホルダーからのフィードバックを具体的な製品機能にどう組み込んでいくのか、なぜ特定のタスクを他のタスクよりも優先するのかなどが理解することができます。
- スクラムチームが自分たちのフィードバックを具体的な製品機能にどのように組み込むのか
- なぜ特定のタスクを他のタスクよりも優先するのか
- 新しい機能に関するリクエストの現実的なスケジュール
プロダクトオーナーに必要なスキル
スクラム開発成功には、プロダクトオーナーが重要な役割を担っていると言えるでしょう。このようなプロダクトオーナーにはどのようなスキルを求められるのでしょうか。
- 開発・製品に関する幅広い知識
- コミュニケーションスキル
- リーダーシップと決断力
- 交渉力
開発・製品に関する幅広い知識
顧客が求める製品の実装や顧客が抱える課題の解決を行うためには、開発や製品に関する幅広い知識が必要です。また、プロダクトオーナーは予算やコストの責任も持っています。
それらを最大限に活かし、顧客の求めるソリューションを提供しなければなりません。
コミュニケーションスキル
開発チームがひとつとなり、共通ゴールに向かっていく必要があります。開発情報を共有する必要もあります。
ゴールのビジョンをチーム全体で共有するため、コミュニケーションスキルは必須です。
ビジョンが伝わらないと開発チームがうまく稼働しない可能性があります。また、それがプロジェクトの失敗になってしまうリスクにもなります。
リーダーシップと決断力
プロダクトオーナーは、リーダーシップを発揮し、決断力が必要な場面が多く存在します。
顧客の求める要件をすべて聞いてしまうと、コストだけが膨らみ、開発のゴールが不明瞭になってしまうリスクがあります。
顧客の望む製品を理解し、様々なソリューションを提案し、優先順位をつけ、顧客が望む価値の高い製品をリリースしなければなりません。
交渉力
プロダクトオーナーは時には「ノー」と言うことが必要です。
限られたコストやリソースの中、価値の高い製品を提供するためには顧客が言うことすべてを受け入れる必要があるかどうかを考える必要があります。
プロダクトオーナーとスクラムマスターの違い
スクラムマスターやプロジェクトマネージャーは、プロダクトオーナーとどう違うのでしょうか。
スクラムマスターは開発を円滑に進めるために支援を行います。スクラムマスターは、その名のとおりスクラムのマスター、つまりスクラム開発の熟知した人のことで、スクラム開発のプロセスを正しく実行できているかに責任を持ちます。コーチングやチーム内のコミュニケーションのサポートをします。
プロダクトオーナーとチームの調整も行うため、スクラムマスターとプロダクトオーナーは兼任はお薦めできないと言われています。
プロダクトオーナーとプロジェクトマネージャーの違い
プロジェクトマネージャーとは、従来のウォーターフォール開発においてスケジュール管理やチーム管理などプロジェクト全体の責任を負う人のことです。スクラム開発においては、プロジェクトマネージャーは存在しません。その代わり、責任が役割ごとに分散されています。
スクラム開発では、プロダクトオーナーがプロダクトの責任を負い、スクラムマスターがプロダクトオーナーとチームをサポートしながら開発を進めます。
プロダクトオーナーの将来性
プロダクトオーナーの需要は、年々高まっています。従来プロダクトオーナーは、あまりメジャーな職種ではありませんでした。
しかし、近年においてプロダクト開発のために重要な役割であると認知されてきています。
要件を上手く聞き入れ、価値が高いプロダクトを成功に導くため、プロダクトオーナーは重要な役割を担っています。
プロダクトオーナーになる資格
弊社でも提供している認定プロダクトオーナーの研修を受け、プロダクトオーナーに必要とされるスキルを実戦形式で学びます。
認定プロダクトオーナー研修を受けるだけで、プロダクトオーナーとしてのスキルアップが期待でき、きちんと学習頂き認定を受けることができれば、プロダクトオーナーとしてのスキルを客観的に証明することにもつながります。
クラスでは、プロダクトオーナーに求められることの全般を学びます。具体的にはペルソナの決定方法、リリース計画の立て方、意思決定の仕方などさまざまです。
弊社の認定プロダクトオーナーのクラスは、世界のアジャイル開発の現場を知るジョー・ジャスティスから直接レッスンを受けれる事ができます。
認定プロダクトオーナーのカリキュラムだけでなく、現場で活かせる経験値から直接アドバイスが貰えるの点が最大のメリットになります!
みんなの質問には僕が直接アドバイスさせてもらうよ!
教えて、ジョー!プロダクトオーナー編
アジャイル業界をリードする、ジョー ジャスティスに理想のプロダクトオーナーについて、聞きました。
プロダクトオーナーは誰が担うと良いの?
最初のスクラムチームは1994年頃に発足しました。当時、プロダクトオーナーはマーケティング担当者が担っていました。なぜなら、彼らは顧客のことを一番よく知っていたからです。つまり理想的なプロダクトオーナーは、顧客(クライアント)です。その次に良いのは、明確にプロダクトのビジョンを考えることができる人です。
どのように顧客(クライアント)に、プロダクトオーナーを担ってもらえばいいの?
アジャイルや、スクラムの理解が低い担当者へ「明日からプロダクトオーナーになってください」と言っても、もちろん難しいと思います。その場合は、プロダクトオーナーの役割や責任についてよく理解しているチームメンバーが「代理プロダクトオーナー」となります。そして顧客担当者とペアを組み、プロダクトオーナー業務を推進します。
プロダクトオーナーのまとめ
プロダクトオーナーは、近年注目され、需要が高まってきている職種です。プロダクトに求められる要件をリスト化し、プロダクトバックログを作成し、プロダクトを成功に導きます。重要な役割ですが、現状としてはプロダクトオーナーとして活躍している人はそこまで多くないといえます。プロダクトオーナーとして活躍したいという人は、実務経験を積むだけでなく、研修に参加し資格を取るなどしてみると良いでしょう。
スクラムチームとともに、認定プロダクトオーナーとしてプロダクトの価値を高め、顧客、チーム、ステークホルダーの満足度を向上させ、そして自らもハッピーになれる開発を目指しましょう。