スクラムマスターはいらない・不要?失敗するケースとは?
スクラムチームメンバー内で、スクラムマスター不要説が出てしまうのはなぜか?
- スクラムマスターはいらない
- スクラムマスターは不要
など、スクラムマスターが機能していない開発の現場において、チームメンバー間でスクラムマスター不要論が出たりする事もあるようです。
スクラム開発が導入される事例が増える中、スクラムマスターは本当に不要なのか?
スクラム開発の責任者として、またリーダーとしてチームをサポートするスクラムマスターは、スプリントの進捗、重要タスクの洗い出しや優先順位付け、スクラムチームの成長、ベロシティーを高めるなど重要な役割を担う一方で、機能しないとその影響も大きく「不要論」がささやかれたりする事もあるようです。
スクラムマスターとして失敗しがちな落とし穴や、スクラムマスターとしてのスキルを再確認する事で、スクラムマスターとしての今の悩みが解決できるかもしれません。
もし今、スクラムマスターとしての自信を失っていたり、不安を感じているのならこの記事を最後まで読んでみてください。
この記事でわかること
- スクラムマスターはいらない?いないことのデメリット
- スクラムマスターが機能しない失敗の要因がわかる
- スクラムマスターに必要なスキル
- スクラムマスターが機能することで、チームはどう変わるのか?
スクラムマスターはいらない・不要?
スクラムマスターがいらないケースとは
「スクラムマスターはいらない」という声もありますが、スクラムマスターは開発現場において必ず必要なのか?と問われれば、必ずしも必要であるとは限らないでしょう。
スクラムマスターがいらない、いなくても開発が困らない現場の例で言えば、
スクラムマスターのサポートがいなくても、プロダクトバックログを回せる小さな現場
問題点の洗い出し、それらの解決までのチームメンバーだけで解決できる場合
といった少人数のチームで、それぞれのメンバーが問題解決に迅速に対応でき、ミーティングにおいても、進行役など必要ではない場合であればスクラムマスターは必要ないかもしれません。
しかし、上記の様な特定のケースを除いては、スクラムマスターのサポートがない事のデメリットの方が大きいでしょう。
スクラムマスターはいらない?いないことのデメリット
スプリントや内容により、チーム内で優先順位が決められない場合もあります。
スクラムマスターは、チームメンバーだけではスプリントバックログに対応しきれない場合や、優先順位が決められない場合に開発メンバーのサポート役として機能します。
スプリントバックログをチーム内で解決できる小さなプロダクト開発の現場ではスクラムマスターがいなくても問題ないかもしれませんが、スプリントバックログの内容によっては難しくなります。
また、開発規模や難易度によっては、開発メンバーだけでは優先順位の付け方も難しい場合が多くあります。
スクラムマスターの役割は、チームが開発を進める中での障害を取り除いたり、スプリントログのサポートを担い、開発メンバーのサポートをするのが大きな役目です。
専任のスクラムマスターがいる事で開発メンバーは開発に専念できる事も大きなメリットになります。
スケジュール管理や、イベント、スプリントレビューにおいてもスクラムマスターのサポートは大きな役割を果たしてくれます。
スクラムマスターが機能しない失敗要因
「スクラムマスターはいらない」と言われる要因として、スクラムマスターがうまく機能していない現場を経験をした人が多い事も考えられます。
スクラムマスターが機能しないケースとその要因について考えてみます。
スクラム手法の徹底とチームのコーチングのバランスが上手く取れない
スクラムマスターとして経験が浅い時期にありがちな失敗として、スクラムの手法にとらわれすぎてしまい、チームメンバーにスクラム手法を徹底するもチームのスクラムに対する理解が追いつかず、バランスが崩れてしまうケースです。
チームのコーチングもスクラムマスターの重要な役割です。
スクラムの原則、手法を徹底させつつも、リーダーとしてチームメンバーをコーチングサポートするバランスが必要になります。
スクラムマスターがチームのアシスタントになってしまう
スクラムマスターはチームのサポート役ですが、なんでもかんでも引き受けてしまい、肝心なスクラムマスターの仕事を担う時間が足りなくなるケースもよくある失敗の事例です。
チームのサポートをする上で意識すべき3つのポイント
①チーム内のワークフローの改善
②スクラムメンバーのティーチングとコーチング
③スプリントの進行役としての役割
スクラムマスターと他のロールの兼務
スクラムマスターが他のロールと役割を兼務しているケースは多くあります。
よくあるスクラムマスターの失敗としても、スクラムマスターと開発メンバーの兼務などの事例は多くあります。
リーダーとしてチームのサポート役を担うスクラムマスターであるが、発言1つをとってもスクラムマスターとしての発言なのか開発メンバーとしての発言なのか分からない、説得力にも欠けるなど、チーム内でも混乱を招く事も兼務の難しさの1つです。
開発の遅れに対し開発メンバーと一緒に混乱してしまうなんていうケースもありがちで、冷静に分析をし優先順位を考えるべきスクラムマスターとして機能しなくなってしまいがちです。
思い切ってスクラムマスターに専任する事で、単純に考える時間も増えますし、スクラムマスターとしての仕事をする時間を増やす事ができます。
スクラムマスターと他のロールの兼務をしていて人で、スクラムマスターとしての機能していないと感じているなら、兼任から専任にスイッチしてみるのも解決策として有効な一手です。
スクラムマスターとしてのスキルが不足している
スクラムマスターとしてのスキルや経験が不足している場合も、スクラムチームでスクラムマスターとして機能しない要因になります。
スクラムマスターとして必要なスキルを5つピックアップしてみました。
もし、スクラムマスターとして自信を失っていたり、チーム内でスクラムマスター不要説のムードがあるのなら、是非再確認してみてください。
スクラムマスターに必要なスキル5選
コミュニケーションスキル
スクラムマスターは開発チームメンバーだけでなく、プロダクトオーナー(PO)や組織の上層部、顧客などさまざまな人と関わり合います。
毎日行われるデイリースクラムの場においても、より活発な意見交換ができる関係性を築けるかはスクラムマスターのコミュニケーションスキルにかかっています。
関わり合うすべての人と信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルはスクラムマスターとしての必須のスキルになります。
スケジュール管理スキル
スクラムマスターは、スクラム開発の責任者としてスケジュールを管理する責務を担います。
プロダクトの開発が円滑に計画通りに進み、期日までにリリースする為にはスケジュール管理が必須になります。
全体的なスケジュール感の策定や管理だけでなく、プロジェクトの進捗状況を把握し重大な遅れになる前にスケジュールの修正をするスケジュール管理スキルもスクラムマスターとしての必須のスキルになります。
スケジュールを修正する為には、当然プロダクトバックログの優先順位を決められるスキルも必要となってきます。
サポートスキル
スクラムマスターにはサポートスキルも求められます。
開発メンバーの経験値や技術力にはバラつきがありますし、スクラムの認識にも大きな差があるでしょう。
スクラムマスターは、そうしたメンバーで構成されるスクラムチームをサポートし円滑にプロジェクトを進める事が求められます。
スクラムマスターのサポートは開発メンバーだけではありません。
プロダクトオーナーとの間ではプロダクトバックログの管理についてやり取りを行いサポートする事も頻繁にあります。
「スクラムマスターはいらない、スクラムマスターは不要」などと言わせない為にも、スクラム開発の責任者としてメンバーやプロダクトオーナーと信頼関係を築き、開発の現場が円滑に進むためのサポートスキルの経験値を積み重ねて行くことが重要です。
ティーチングスキル
スクラム開発の現場において、開発メンバーのスキルは様々です。スクラムに対する認識にもバラつきがあります。
プロジェクトが円滑に進行する為にメンバーに対し知識や問題解決方法を教えるティーチングスキルもスクラムマスターとしての必要なスキルの1つです。
知識やノウハウを教えるためには、当然スクラムマスター自身もそのタスクをこなす能力があることが前提となります。
人に教えるより自分でやってしまった方が早いと考えてしまいがちですが、スクラムマスターの仕事はあくまで開発が円滑に進行する先導役です。わかりやすいティーチングで個々のメンバーのスキルが上がれば、スクラムチームとしてのレベルも上がり、プロジェクト開発も大きく躍動する事に繋がります。
コーチングスキル
コーチングスキルはティーチングと混同されがちですが、似ていて非なるものです。
ティーチングスキルは、知識やノウハウを教えるスキルになりますが、コーチングスキルはメンバーに問題解決について考えさせるスキルになります。
スクラムマスターが問題解決について答えやノウハウを明示するわけでなく、メンバー自身が解決できる為の「キッカケ」を与えるのがコーチングスキルになります。
コーチングスキルはティーチングスキルよりも難易度も上がりますし、メンバーとの信頼関係も求められます。
スクラムマスターの役割は以下を参照してください。
スクラムマスターに必要なスキル、役割など詳細にまとめています。
スクラムマスターとは?役割、やること PMとの違い
スクラムマスターとしてのスキルを身に付ける為のトレーニングとしては、認定スクラムマスターの受講がおすすめです。
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スクラムマスターが機能すると現場はどう変わる?
スクラムマスターが機能するとチームメンバーからの信頼が増していきます。信頼できるスクラムマスターには意見がしやすくなったり、メンバー同士でも積極的なコミュニケーションが行われるようになります。
スクラムマスターが機能する事で生まれる変化として特に特徴的なものをピックアップしてみます。
- スクラムチームからスクラムマスターとしての信頼が得られ、話しをしっかりと聞いてくれるようになる
- スプリントレトロスペクティブで貼られる付箋を見ながら活発な意見が飛び交うようになり、チーム内のコミュニケーションも良くなる
- スクラムマスターとしてチームにコーチングをする事でチーム内のスクラムに対する理解が深まり、スプリントレビューミィーティングにおいても気付きを積極的に意見したり、メモする様になる
- ベロシティが大きく回復し、チームの開発スピードがアップ
まとめ
開発の現場で「スクラムマスターはいらない」「スクラムマスターは不要」など、スクラムマスター不要説がささやかれる事は度々あるようです。
この記事を読んで頂いている方も、もしかしたらそうした経験があるかもしれません。
しかし、少人数のチームで短期的な開発プロジェクトであればスクラムマスターはいなくても問題ない場合もありますが、それ以外の多くの開発現場においてスクラムマスターは必要です。
indeedでスクラムマスターを検索しても、スクラムマスターの需要が高い事がわかります。
それだけ多くの現場でスクラムマスターは求められる人材と評価されています。
スクラムマスターはやりがいのある仕事ですし、転職にも大きな武器になるスキルです。
もし今スクラムマスターとして自信を失っていたり、不安を抱えているのなら
スクラムマスターとしてのスキルを再確認する事で大きな成長ができるかもしれません。
その為には何を学ぶかも大事ですが、スクラムマスターの様な経験が物をいう職種においては、「誰から学ぶか」も重要になります。
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認定スクラムマスターは難しい?難易度や合格率は?の記事もチェックしてみてください。
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