「心理的安全性」は成功するチーム構成に最も重要なものである
「心理的安全性」は成功するチーム構成に最も重要なものである
〜心理的安全性とは?
皆さんのチームは、メンバー同士安心して言いたいことを言えていますか?どう思われるだろう?罰を与えられないかな?など、他者を気にして遠慮して言えなかったり、怯えてしまい発言できないという事はありませんか?
チームメンバーが言いたいことが言える状態を「心理的安全性が保たれている状態」と言います。Google社は「心理的安全性は、成功するチーム構築に最も重要なものである。」と発表しています。
では、「心理的安全性が保たれている」とは、どんな状態を指すのでしょうか?
心理的安全性が保たれている状態とは、チームにおいて、自分が発話することを恥じたり、他者の反応におびえたり、他者から拒絶されたりペナルティを与えられたりしないと確信をもっている状態のことです。
株式会社カルチェリアの調査によると、1年以内に転職経験のある会社員の83.2%が、職場を選ぶ上で「心理的安全性を重要視する」と回答したそうです。
職場選びにも、この「心理的安全性」が重要視されています。
アジャイルなチームにおいて、安心して、自分の考えや状態をメンバーに伝えることができる状態、これこそがパフォーマンスの高いチーム構築に欠かせない事になります。
ハーバードビジネスレビューに興味深い記事があります。
「アジャイルは心理的安全性なしでは機能しない」
February 21, 2022
出典元:Agile Doesn’t Work Without Psychological Safety by Timothy R. Clark
高い心理的安全性は、イノベーションを目標とするパフォーマンス反応を引き出しますが、低い心理的安全性は、生存を目標とする恐怖反応を引き出します。チームメンバーが質問をしたり、間違いを認めたり、アイデアを模索したり、現状に挑戦したりするのをやめると、アジャイルではなくなります。
皆さんのチームメンバーは、与えたり与えられたり、押したり引いたり、話したり聞いたり、質問したり答えたり、行動したり反応したり、分析したり解決したりすることができますか?それとも、彼らはお互いを検閲し、自己保存モードになってしまうのでしょうか?
本質的に、アジャイルのコアテクノロジーは技術的でも機械的でもありません。それは文化的です。アジャイルチームは最終的に心理的安全性に依存しています—報われるオープンな、素でいられる環境—協調的な対話プロセスを持つことです。
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アジャイルのコアテクノロジーとは文化的なものであり、最終的に心理的安全性に依存しているーとても興味深いですね。コア部分がしっかり備わっていないと、チームのパフォーマンス発揮や向上、品質及びスピードの改善、革新的なアイディアの促進にならないということです。
自動化などの技術を新たに導入する、だけではダメなのです。アジリティを支えるのは人間です。チームでも「心理的安全性」を高めていく必要があります。
心理的安全性を確保するアクティビティ
アジャイルチーム内で心理的安全性を確保するアクティビティがあります。それは「チェック・イン」と呼ばれるものです。チェックインはスクラムマスターが中心になり、メンバーの状態を確認します。頻度は1日1回以上(朝、ランチ後等)です。
◎チェックイン:
SM: 「昼食は何を食べましたか? 気分はどうですか?疲れていませんか?」
素直な気持ちで励まし合いましょう!
アイコンやツールなどを利用して今の状態を示すのも有効かもしれませんね。
例:
メンバーの中には疲れていたり、プライベートで悲しいことがあり気分が落ち込んでいることもあると思います。そういう場合は、他のエネルギーがあるチームメンバーがフォローしてあげましょう。スクラムマスターはメンバーの状況を知ることにより、適切なフォローやサポートを提供することができます。そうすることにより、スピードを落とさず高品質なアウトプットを維持することができます。
講師のジョーが実際にスクラムマスターだった時、メンバーの一人の子供が体調が悪くなったことがあったそうです。そのメンバーは仕事の手が離せなかったので、ジョーが学校へお迎えに行き、メンバーの自宅で炊事洗濯をしてサポートしたという話をしていました
心理的安全性を保つということは、正直に自分の状態や考えを伝えることによって信頼関係が生まれ、チームがベストな状態で仕事をすることができます。そのため、よりよいパフォーマンスを発揮でき、高速で高品質なものを達成することができるのです。これはやはりチームがフラットであり(上下関係がない、パワーの偏りがない)、自己組織化しているからこそできるものです。
アジャイル導入して間もないチームは、ぜひできるところから少しずつ実施してみてください。それを続けていくと、働きやすくあらゆる価値を生み出すことができるベストなチームが構築されている事を実感するでしょう。