アジャパー・アンカンファレンス2024

目次

【第一部】チームディスカッション

ディスカッションの中で、特に印象的だったコメントを抜粋させて頂きました。

チーム1のトークテーマ:「アジャイル導入の課題と克服策」

周りの人たちに理解してもらう事が大事

自分たちがアジャイルを進めていても、周りの人からは「君たちの仕事って何やってるの?」「成果上がってるの?」「スクラムやってるんだよね」と言われてしまう。

自分たちがゴールに向かって進めていくのも大事なんですが、それを周りの人たちに理解してもらう事が大事だと思いました。

児玉明浦さん
株式会社PHONE APPLI

なかなか目的を1つに共通認識を持てない

開発側の伝えたい事はビジネスサイドの人たちに理解して貰えない一方で、ビジネスサイド側からは数字ばかりを求められる事が多くなり、なかなか目的を1つに共通認識を持ってというのが難しくて悩んでいます。

西山 美恵子さん
株式会社クレスコ

専門用語をなるべく減らして会話の場を増やす。寄り添う事も大事

ビジネスサイトの人はアジャイルの話をしてもわからないことが多いから、寄り添うにはどうするかを考え事が大事で、

「タスクを整理しましょう」

「Todoリストを作りましょう」

「振り返りをやりましょう」

みたいな感じで、なるべく専門用語を減らし、まずは会話する事が大事。

スクラムガイド上も責任は委譲できるものとされているので、全部をPOに押し付けるのではなく、そこに寄り添う開発側の人が権限を委譲して貰いつ、なるべく寄り添って進めるのが仲良くする秘訣かなと思います。

西野大介さん
旭化成株式会社

人の期待値はすれ違うものなので、目線を合わせるのも大事

役割の線引きを作ると上手くいかない。

人の期待値ってすれ違うものなので、

そこを目線を合わせる様に歩み寄れると良いのではないかなと思います。

吉田 翔さん

みなさんの話を聞いて、会話の場を増やそうと思いました

皆さんのお話を聞いていて、スプリントのイベントが足りないのかなと感じました。

会話の場をもう少し作って行こうと思いました。

西山 美恵子さん
株式会社クレスコ

POと開発チーム間で権限移譲とコミュニケーションは大事

プロダクトバックログを作るという観点では、POよりも開発チームの方ができるところもあるので、そこは開発チームに権限を委譲して進める事はよくやっています。

ただ、POには説明責任があるので、開発チームとコミュニケーションを取って進める事も大事になります。

川合遼也さん
キヤノン株式会社

感想

ディスカッションの中で、

「開発側の伝えたい事はビジネスサイドの人たちに理解して貰えない一方で、ビジネスサイド側からは数字ばかりを求められる事が多くなり、なかなか目的を1つに共通認識を持ってというのが難しくて悩んでいる」

といったお話がありました。

その際、みなさんが大きく頷いている姿が印象的で、実際の現場ではあるあるなんだと感じました。

そして、もっと話し合いの場を増やして行こうと思うという結論が出たようですので、是非また結果を聞いてみたいと思います。


チーム2のトークテーマ:「スクラムマスター、アジャイルコーチとして意識してるポイント」

新人や社員向けのアジャイル研修を開催

新人や社員向けのアジャイル研修を開催しています。

アジャイルマスターとして資格を持っていたり、知識を持っている人が講師やサポーターとして入ることで、新人研修もしますし、座学で学んだスクラムマスターがスクラムマスターとしての振る舞いを学ぶ場にもなっています。

楠 深希さん
キンドリルジャパン・ テクノロジーサービス株式会社

誰かが学ぶ場というよりも、みんなが学べる場

本プロジェクトでいきなりアジャイルを使うというよりは、毎週、アジャイルの勉強をする場を設けています。
誰かが学ぶ場というよりも、みんなが学べる場になっていて、徐々にその場を広げて行くような活動をしています。

末冨健丸さん
キンドリルジャパン株式会社

アジャイル体験を通じた導入の取り組み

弊社の技術コミュニティの1つにアジャイルを体験できるようなコンテンツを提供するチームがあり、
そちらと連携して疑似体験の様なところからアジャイル導入への知識を深めたりしています。

菅原 友里さん
株式会社クレスコ

スクラム自体に興味を持って貰う事が大事

スクラムマスターの立場だと、プロセスを回すことを重視してしまう事が自分もあるんですけど、やっぱり最終的には人が仕事をするので、スクラム自体に興味を持ってもらう事が重要だと思っています。

牧野健太郎さん

感想

教育、心理的安全性というテーマが中心となり議論されました。

キンドリルで導入されているアジャイル教育も凄く面白そうで、是非また別の機会に詳しくお聞きしたいと思います。

チーム3のトークテーマ:「ソフトウェア以外のアジャイル活用」

ウォーターフォール王国でアジャイルを推進

ウォーターフォールに慣れ親しんだ会社の中で、一部アジャイルを取り入れています。

ウォーターフォール王国でアジャイルを推進をしているところですが、

社内でも上の立場の人はウォーターフォールの成功体験者で、アジャイルは若手中心といった感じになっています。

ウォーターフォールは、しっかりと要件定義が出来ていて、過去の知見が十分生かせるものに関しては、非常に有効だと考えています。

なので、そこに対しては今までやってきた人たちを否定するつもりはないですが、

電気自動車や水素社会を目指したりもしていますので、そういうところに関しては、アジリティを持って対応していかなきゃいかないという危機感を持って取り組んでいます。

なぜこんなに変えなきゃいけないのか?

という問いに対して、丁寧に説明しながら理解を得ようとしています。

竹内伸一さん、南野圭史さん
トヨタ自動車株式会社

私達はアジャイルネイティブ世代

アジャイルに向いてるもの、向いていないものという話もでましたが、ウォーターフォールが向いていることもあるし、アジャイルのフレームワークを全部に適用するのではなく、取り入れられそうなところから始めるのが良いのかなと思います。

私達はアジャイルネイティブの世代で、ウォーターフォールの理解が浅いところもあるという中で、私達からウォーターフォールで成功してきた人たちに寄り添うのは大事だと思います。

宮田碧衣さん
株式会社 MSOL Digital

スクラムマスターのクラスを受けた後、すべてにアジャイルを使っている!

すべてがプロダクトという考えのもと、子供教育の野外イベントなど多岐にわたりアジャイルを導入しています。

ビジネス以外でもアジャイルは適用しやすかったです。

どんなチームにしたいかを一番最初に話し合って、メンバーの良いところと苦手なところをよく把握した上でスタートすることでより適用しやすくなるのかなと思います。

加藤 純子さん

事業開発にはアジャイルはフィットする!

事業開発は明日になったら状況が変わるので、そこはスモールスタートができるアジャイルの良さがハマっています。

アジャイルがここまで流行る前から、実はフィットしてたんじゃないかなって思うほど事業開発には生きてると思います。

社内の教育や研修にもアジャイルのマインドが生きている

ペアワークとかモブワークなど、アジャイルで生かせるようなフレームワークをちょっとずつ学んで、わからないことは色々教えてもらって、チームワークを大切にし、そして相乗効果を生むというところで教育にも生きているかなと思います。

長谷部 享
株式会社 MSOL Digital

(感想)

「アジャイルネイティブ」という言葉が出ましたが、マインド的にもアジリティーな思考を持つ若い世代のアジャイル層と多くのウォーターフォール成功体験を持つ年配世代のウォーターフォール層が、お互いを否定するのではなく、良いところを理解し合う事ができるとアジャイルの浸透も早まるのかなと感じました。

オープンスペーステクノロジー(OST)

参加者の皆さんの声

長谷部 享さん(株式会社 MSOL Digital)

“とても楽しく幸せな気持ちで新たな学びと人脈の得られるイベント”でした。

パネラーとして参加したパネルディスカッションでは、経験者ならではの鋭いコメントにドキドキしながらも

所属する企業や業界が異なるパネラー同士、とても新鮮な会話となったのではないかと思います。

OSTでは、皆さんから発信されたテーマのどれもが興味深く、ブースを選ぶのがとても大変でした。

また、イベント参加者への様々なプレゼントも良い記念になりました。

クラス受講チケットの抽選に当たった時は、ほんとにびっくりで Joe 先生から手渡しでチケットをいただけた時の感動は忘れられません。

そして何よりも、次回開催を楽しみにしています。

西山 美恵子さん(株式会社クレスコ)

アジャパーではとても楽しく、深い学びが得られました.

具体的には、パネルディスカッションで当時抱えていたビジネスと開発の溝について悩み事を話すと、他のパネラーからパネラー自身の経験を交えながら解決策や考え方を聞くことができ、次に取るアクションが見えてきました.結果、その時よりもチームの関係性は良くなりました.

また、OSTでは他の方が抱えている課題や問題、その解決策に対する他社事例などについてお伺いでき、非常に学びが多かったです.特に品質や生産性をアジャイルの外部の方に説明するディスカッションは、そもそもの品質の考え方について自身に気づきを与えてくれました.

他にも、別のアジャイルコミュニティで出会った仲間と久々に再会し、元気な姿も見てとても嬉しかったです.

総じて満足度の高いイベントでした.

児玉 明浦 さん(株式会社PHONE APPLI)

アジャパー2024へは登壇者枠で参加させていただきました。私のような登壇初心者にも挑戦の機会をくださった運営の皆様に大変感謝しています!

総勢21名という多くの実践事例に触れる機会というのも貴重でした。それだけでなく、アンカンファレンスでは様々な業種・立場で活躍されているアジャイル推進者・スクラムマスターの皆様と交流でき、様々な角度から、アジャイルの強みや現場の課題へのアプローチ方法、自身の振る舞い方を見つめ直すことができ、大きな成長の機会になったと実感しています。なによりこんなに多くの方々が日々課題に立ち向かって活動されているという事実にとても勇気づけられました。改めて運営の皆様、ディスカッションしてくださった皆様、本当にありがとうございました!

城 佳子さん(キンドリルジャパン・テクノロジーサービス株式会社)

先日のアジャパーアンカンファレンスではグラフィックレコーディング(通称「グラレコ」)を担当しました。
いかがでしたでしょうか?

グラレコとは、話し手の言葉や場の空気感を視覚的に表現する方法で、対話を促進したり、参加者の一体感を高める効果があります。

今回は参加者のみなさんにもお声掛けし、イベントの感想や気持ちを絵や文字で描いていただきましたが
アジャイルの仲間がこんなにたくさんいることに勇気をもらった、嬉しかった、という声が多かったように思います。

アジャイルとグラレコの実践に取り組む私にとっては、今回は一粒で二度も三度もおいしく、大いに励まされ、そして幸せな時間でした。

ABIさま、素敵な機会を頂きまして本当にありがとうございました!

臼杵 英之さん(エヌシーアイ総合システム株式会社)

「権限移譲どうしてる?」をテーマに集まった皆さんとディスカッションを実施、リアルとバーチャルの相違点や共通点を知る機会となりました。権限を求める自分は移譲できているのか?を起点に、使えるキーワードをたくさん得られました。

権限移譲は手段で目的は知識獲得、役割分担の中に繋ぐ役割を設けた移譲例、そして権限移譲を維持するための組織論の話からゲーミフィケーションに話が進み、現場メンバーが必要に応じて意思決定を行える状態を組織化すること・それを実践するアジャイル組織の実践例を紹介を頂き着地しました。15分程度でこんな密度の濃い話をできるのはこの場ならでは、それを支えるマインドセットを持った方々が集まる場にまた参加したい、と私は感じました。

貴重な機会を頂きましてありがとうございました。

楠 深希さん(キンドリルジャパン・テクノロジーサービス株式会社)

キンドリルジャパン・テクノロジーサービス株式会社の楠です。

アジャパー アンカンファレンス 2024に参加させていただきありがとうございました。

オープンスペーステクノロジーでは初めての方々とその場で議論を交わしましたが、

アジャイル対する熱意やそれぞれの仕事での疑問・工夫事項を学ぶことができました。

じゃんけん大会にて最後の一人となり、好きな研修受講の権利を頂きました。

今年一番の運を使ってしまった気もしますが、この機会を生かして、さらにアジャイルについて

学び、向上していけたらと思います。

今回のイベントは学びも多く、人脈作りにもつながり、とてもモチベーションアップになる機会となりました。ありがとうございました。

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